4話 鯖

1/1
前へ
/6ページ
次へ

4話 鯖

「よーし! とりあえず歌おう! どっちから歌う?」 姫乃は明らかに早く歌いたいという目をしていた。 「姫乃が先歌っていいよ!」 「ほんと! やった!」 姫乃は嬉しそうに選曲し始めた。 (かわいいなぁ……) 今の姫乃はとても輝いていて、 私とはやっぱり違う世界の人なのかなって思ってしまっていた。 「やっぱ最初はこれでしょ!」 画面予約された曲が現れた、その時!? 「こ、これは!? 私史上最高のアニメ【ザバーン・サバーン】のオープニングテーマ、Theバ鯖パラダイス!?」 私は昔から【ザバーン・サバーン】というアニメが大好きだった。 そのせいか今少しだが語ってしまったのだ。 「え!? あや知ってるの!」 姫乃は目を輝かせながら私のことを見た。 【ザバーン・サバーン】とは私が中学3年生の時に極々1部のマニアから人気だったアニメで主人公である、鯖野条という鯖が陸から飛び込みしたいという夢を叶える物語なのだ。 「知ってるよ! めちゃめちゃ大好きなの! まさかザバサバ知ってる人に出会うとは」 サバサバとは【ザバーン・サバーン】の略の事だ。 「ならなら一緒にTheば鯖パラダイス歌おうよ!」 「うん!」 私達はマイクを持ち、 前奏が終わるのを待っていた。 「Theサバサバサバサバサバサバサバサバ〜」 私達はハモリを入れながら歌い始めた。 遂にサビが来た 「お前ら海に飛び込むぞ! サッバーンザバーン海は男のパラダイスザッバーンサバーン……あばよ!」 アニメバージョンだったからすぐ終わった。 だけど私達はやっぱり似てる。 その後私達はザバサバの歌を歌いまくった。 ーー5時間後 私達は声が枯れるまで歌った。 「ひ、姫乃今日は誘ってくれてありがとうね、また明日からよろしくね!」 「こちらこそだよ! あやとならこれから先も一緒に居られる気がする! よろしくね!」 こうしてまた仲良くなった私達だったのだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加