こっちもあっちも

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 とりあえず、まだ困惑しているお客様にジャスト三十秒(誤差三十秒以内)くらいで今の状況を説明。たちまち画面に向かって怒鳴ったり口元を手で覆って驚いたり、茫然とかたまる人が現れる。今まではそれが全員だった。  でも今回は、覚悟を決めていたように頷いている人が何人かいる。  ……強いな、この人達。  強い。羨ましいなって一瞬思った。 「お気持ちは分かりますがお静かになさってください!」  一喝すると、すぐに騒ぎは止んだ。  ……でも、本当に気持ちは分かる。いきなりこんなこと言われたら、きっとショックは多大なものだろう。  けど私は、その人たちのショックを和らげるのが仕事なんじゃない。今後の案内をするのが仕事だ。 「……では。覚悟していた人も、驚いた方も、……怒った方も、いたと思いますが。けれどそれは、私にはどうにもできません。私が知ったような口を利いて、慰めていい事じゃない。私の仕事は皆様に、この後の流れを説明することです。」  次のミーティングの時間が差し迫っているけど、これだけは言っておきたい。  私の仕事をはっきりさせる。  今私の他に、喋っている人はいなかった。 「では、お手元に配られたカードをご覧ください。数字が書かれているかと思います。今から番号を読み上げますのでよく聞いて下さい。」  え、今回多くない? 書類を片手に軽く驚きながら、私は書かれている番号を読み上げた。 「まず、一番、三番、四番、五番、六番、八番、十番、十二番、十三番、十六番、十七番、十八番、十九番。今お呼びした番号の方々は、この後URLをお送りしますので、部下の心労も知らず一人呑気にあぐらをかいてビールを煽りながらポテチを食っ……失礼しました、威厳を持ってお座りになられ、ビールとポテトチップスを召し上がっている、
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