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〜幕間〜 読者の皆様への案内
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物語作者より、読者の皆さまにご案内申し上げます。
ここで古典的推理小説の儀典に遵い、いわゆる読者への挑戦状を実施します。
物語が凍結されたこの段階において、緋衣玲は犯人を特定しうる決定的な材料の入手を完了しました。次章の幕が上がった時、彼女による犯人の指摘が実行されます。
当方からの出題はこれのみ、
緋衣玲は誰を犯人として指摘するのか――
ご検討いただける方にはご検討いただき。
物語を急がれる方には趣旨だけご理解いただき。
それぞれのご都合のよろしい時にページをめくってください。
なお、ご検討いただける方には僭越ながら謎解きにおけるいくつかの前提条件を提示させていただきます。
① この物語において、学校内の時計はすべて正確な時刻を指し示しており改竄は一切行われていない。(ただし、立花小百合によりホールクロックが破壊されたことは除く)
② この物語において、犯行に関与していない人物は善良な市民であり、故意に嘘をつくことはあり得ない。しかし犯人に欺かれ、結果的に発言が嘘になってしまうことは起こりうる。
③ 海棠正吾と緋衣玲が特定した犯行推定時刻には大きな誤りがない。仮に海棠が犯人であるとしても、ここの部分においては嘘をついていないと保証する。
④ この物語は何よりフェアを重んじており、三人称の地の文には当然アンフェアな記述は一切していない。そしてなおかつ、いわゆる叙述トリックの類いは仕掛けられていない。
⑤ 緋衣玲は探偵であるため、犯人ではあり得ない。
以上、作者からの挑戦状でした。
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