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「も、もう入れちゃうの?」  エコバッグから這い出ながら六本木が言った。ゾンビみたいだな。 『当たり前だ。学校で入れるのか?』 「はいはい……で、これを入れたら、今度は小学校へ行くのね。二度手間じゃん……コンビニにも戦車で行けばよかったね」 『こんなんでコンビニに入ったら、迷惑だろ』 「小学校ならいいの?」 『うるせぇ! お前の足首へし折るぞ? とっとと動け!』  俺の懇願に、六本木は涙を流しながら、戦車の左側面にあるメーターを確認する。 「タンクに水は……すっからかんじゃん。ちょうどいいね」  そう呟き、戦車の後部へと回り込み、イジイジと、セクハラを働き始める。 『いやらしい奴だな』 「なにが? さて、投入しようか!」  六本木の言葉と同時に、メーター横に備えられた給油口のようなものが、パカッという音を立てて開いた。  エコバックからココアを一つ取り出し、タブを開け、中身を給油口に流し込む。
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