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「よかったよかった。じゃあ、俺は事務所で冬眠してくるよ」
『おいこら待て!』
隙あらば逃げ出そうとする六本木の胸ぐらを掴む。
「そうやってすぐ暴力に訴えるのはやめようよ? 一時間だけ寝させて? もう、意識が朦朧としているの」
顔を歪ませ懇願する六本木。バカかこいつは。
『その間に、ココアが放水されたらどうするんだよ!』
俺の称号を、掃除のために使われてたまるか!
「大丈夫。今日は工事しないからさ」
『今日は水曜日だぞ!』
俺の言葉に、指を振りながら六本木は答えた。
「うちの社長がさ、本社から視察に来るんだよ。だから、工事を止めないと……なんかあったら危ないじゃん?」
物分かりの悪い子に言い聞かせるような口調に腹が立ったので、六本木の指を九十度、上に押し上げた。
『じゃあ、お前以外は休みか?』
「痛い監督の亀さんと痛いトワ君は痛い来るよ痛い」
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