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『おいこら! 返事しろや!』
「わ、分かったよ。よく分かんないけど分かったから離して。ていうか怖い。なんで自販機から手が生えてるの? それより、し、喋ってるー!?」
早口で、捲し立てるように言う六本木。
『今更かよ。この現場で知らないのはお前だけだ』
「へっ、マジ!?」
一オクターブ高い声で叫ぶ六本木。
『足もあるぞ。お前をドリブルしてやろうか?』
六本木を解放しつつ、シャドーキックを披露してやる。
ん? 反応が薄いな。俺に惚れて声が出なくなったか?
「……うーん」
壊れたエアコンのような声を発し、安らかな顔で失神する六本木。こんな所で寝たら風邪引くぞ。
……いや、それより。
『なに寝てんだ! 起きろ!』
六本木の顔を六十回程ビンタする。協力するって言っただろう! 口だけか? だからいつまでも下っ端なんだよ。
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