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『だから、この戦車で小学校に行くんだよ』
「だからの意味が分からないよ。なんで? 子供たちに八つ当たり?」
理解力のない六本木に苛立ちを覚える。だから、いつまでも下っ端なんだよ。
『違う! ココアを配るんだ。給水車のようにな。慈善活動にもなるし最高だな!』
「クレイジーな発想だね。僕にはついていけないや」
ついてこなくていい。ジャッカルに追われた方がましだ。
『それに、ココアのファンになった子供たちが、ここまで買いにくるかもしれんだろ? そうしたらウハウハだ。毎回オールソールドだ』
「こんな山奥に来ないよ」
『来る。地図も用意する。タクシー代も払うから。お前が』
「そんな回りくどいやり方するくらいなら、普通に配ればいいじゃん」
『アホか。それじゃつまらんだろ。ただ配るより、インパクトがあって子供の心に残るだろ!』
「戦車の記憶しか残らないと思う」
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