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『じゃあ、お前配るのか? 全ての児童に手作業で!』 「配らないよ。なんで僕が配るの? 自分で配りなよ!」 『お前な……腕を生やした自動販売機に、ココアを手渡されたら、怖いだろ!』 「戦車だって怖いよ!」 『口答えばかりしやがって……いいから言うことを聞け! お前の手首へし折るぞ!』 「分かったよ。はぁ……」  真冬にも関わらず汗だくの六本木が、ゆっくりと背を伸ばす。 『よし、それじゃあ次の任務を与える。そこら辺のコンビニで、ありったけのココアを買ってこい。全校生徒に配るからな。俺のココアだけじゃ足りん。金ならやる!』  釣り銭口から、小銭を吐き出しながら言った。ついでに、腹の中から、全てのココアも追い出した。 「ねぇ……そもそもこれで、オールソールドとやらになるんじゃない?」  取りだし口から溢れ出たココアの山を指差しながら、六本木が言った。
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