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「疲れた?」
うん、と頷く美月は俺の差し出したコップを手に取ってゆっくりと水を喉に流し込む。
「…唯?」
じっと見られていることが嫌だったのか俺の名前を呼びつつ見ないでとでもいうような目線を向けてくる。
「すっげぇ、エロかったよ」
「…」
「ほら、シーツめちゃくちゃ濡れてるよ」
「…」
俺は美月の寝ていた部分のシーツを触ってそう言った。
無言で俺を睨む彼女が可愛くて仕方がない。
常に俺に敵意の目を向けるそんな彼女が今は違う意味を孕んだ瞳を俺に向ける。
それが、どうしようもなく嬉しかった。
「そんな顔するなら、またするけどいいの?」
「む、無理!」
俺は美月の肩をそっと引き寄せた。
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