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真剣な藤崎さんの言葉は私の奥深くまで響いた。
そういうふうに思っていてくれていたなんて知らなかったし素直にその気持ちがうれしい。
けれどすぐに唯がふっと馬鹿にしたように笑った。
「へぇ、そうですか。なるほど」
「…あなたは確か他の女性と週刊誌に撮られていましたよね?美月ちゃんのこと遊びだとしたらすぐにでも離れてください」
「遊び、ねぇ…」
唯は冷たく鋭い瞳で私を捉える。
引き込まれそうな真っ黒な瞳に私が映っている。
手首を掴む手の力はすごく痛くて、顔を歪めてしまう。
「遊びなんかじゃないですよ」
「え?でも…―」
「そんな簡単なものじゃないんで」
「…」
「行くぞ、美月」
「…」
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