おかしい、何かが違う。

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 春日は兄崎の傍らにうつ伏せに寝転がり漫画を読んでいる。  肌触りの良いラグの上に積み上げた本は、書記の五十嵐が書いたものらしい。  一冊の厚さは1㎝から1.5㎝程度だ。  やけに時間をかけて読んでいる。  春日曰く顔見知りが書いたものだから味わう様に読みたいらしい。 「中等部卒業時に兄妹との合同誌とやらを祝いにくれたんだよな。貰った時は忙しくて中々読めなかったんだけど、勿体ないことしてたな。凄ぇ面白い」  まだ未読の漫画や小説が合計11冊あるから、この会話なき時間はまだ続くのだろう。  兄崎は手持無沙汰になり茶を飲むことで気を紛らわした。  お陰で腹がタプタプ言っている。  漫画を読むことは嫌いではない。  寧ろ大好きだ。  ただ互いに干渉せず、独自の世界に入り込み恋人と一緒に過ごす貴重な時間を消費することが酷く惜しいと思うのだ。
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