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第二章 出会い
ウミと出会ったのは今から11年前のことで、僕が大学1年生のときだった。
大学1年生の僕は、やりたいことがある訳でも、やらなければいけないことをやる訳でもなく、ただ毎日をアルバイトに費やしていた。
今振り返ってみても、あの頃の生活は自室とバイト先との往復をただひたすらに繰り返しただけだったように思う。
別にお金が欲しかったわけではない。
何かしら外界と繋がっていなければ、僕自身の存在価値は薄くなって、最後には無くなってしまう。たしかそんな風なことを考えていたような記憶がある。
自分が生まれた意味や自分の価値について無意味に悩む年頃だったのだろう。
そんな無意味な焦燥感を消し去るために、あの日も僕は深夜のコンビニでバイトをしていた。
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