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第一章 風鈴
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昨日となんら変わりはなかった。
じめじめとした熱気や刺すような日差し。肌を涼める風のどれもが昨日のリプレイかと思われるほどに似かよっていた。今日と昨日を入れ替えられても気がつかないと、そう断言できるほどだった。
でも一つだけ、全く違うことがある。
7月21日。今日は海の日だ。この日は僕にとって特別な意味を持っている。1年前の今日も、2年前の今日も、いつだってこの日だけは特別だった。
7月21日はもちろん祝日の “海の日” と被ることもあるが、僕にとっての海の日はこの7月21日だけだ。
30年前の今日は成瀬ウミが生まれた日であり、10年前の今日は成瀬ウミがいなくなった日でもある。
だから僕は7月21日を『ウミの日』と呼んでいた。
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