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愛の形
「なんか最近彼氏が冷たいんだよねー。」
「えー?この間手繋いで歩ってたじゃん。」
他愛のない話をしながらお弁当を食べる、そんな昼休み。
「美穂ん所は?」
「んー?すっごいアツアツのほくほく。」
「なにそれ、食べ物じゃないんだから。」
鼻で笑いながら親友の紗希が突っ込む。いつも私がすっとぼけた事を言うと鼻で笑ったり大爆笑しながら突っ込んでくれる、小学校からの親友だ。
「いいなぁ〜、何かあるの?ラブラブの秘訣とか。」
なんて曖昧な質問だろう、秘訣か…、顎に手を当てて考えてるうちに昼休みを終えるチャイムが鳴った。
「明日までに考えとくよ、またねー。」
「楽しみにしておく。」
軽い敬礼を交わすと紗希は自分のクラスへと戻っていった。
紗希とは小学校、中学校と同じクラスだったが高校に入り離れ離れになってしまった。お互い他に友達がいないわけではないが一緒にいて1番落ち着くのは紗希だ、お互いになんでも話せる仲だと思っている。
そんな親友に初めて嘘をついた。彼氏とはラブラブではない、1週間ほど前に別れを告げられたばかりだ。
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