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「ただいまー。」
元気よく玄関を開けたものの1人暮らしなので返事は返ってこない。高校も実家から通えない距離ではないが1人暮しに憧れていた私は両親に無理を言って1人暮らしをさせてもらっている。よく彼氏も遊びに来ていた。
彼に別れを告げられたあの日も家に招き入れた。別れたい理由を詳しく聞く為に。
どうやら少し前から新しい彼女がいたらしい、浮気だ。
詳しく聞かなければ良かった、私に不満があるのなら治すから別れないでほしいと思っていた。実際に不満もあったのだろうけど改善を促すことなく新しい恋人をつくっていた。
「そっか…もう好きじゃない?私のこと。」
「ごめん。」
涙が止まらなかった。喉の奥が熱い。悲しさ、悔しさ、怒り、いろんな感情が私を壊していく。
そして私は彼を殺した。
台所にあった包丁を手に取り帰ろうとした彼を後ろから刺した。
「だいすきだよ。」
「…えっ?」
「誰にも渡さない。蓮は私だけのもの。」
「え?え?何してんの…?」
彼は困惑しながら倒れ、息絶えた。
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