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白いシャツにベージュのフレアスカートを合わせると、ブラウンのベルトを巻いた。窓の外を見ると、太陽の光が眩しくてとても暑そうに思えた。
「髪の毛縛って行こうかな」
シュシュを取ると、無造作に髪の毛を束ねて、上の方でまとめる。バッグに財布やハンカチを入れる中、ふと悠希から貰ったチケットのことを思い出した。
「財布に入れておこう」
玄関先で白いスニーカーを履いていると、陽菜もちょうど出掛けるようで後ろで待っていた。
「ごめん、お待たせ」
「どこか行くの?」
「友達とちょっとね。行ってきます」
そう言ってドアを開けると、美月は出て行った。陽菜は座って靴を履きながら、小さな声で呟いた。
「友達なんて居ないくせに」
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