近づく距離

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「毅然としてればいいんだよ。そういうのは困ります!!って」 「わ、分かった!!」  パフェを堪能した二人は店も混んでいることから、とりあえず出ようということになった。レジには悠希がいた。 「美味しかったよー。また来るね」 「ああ。水原さん、割引券は?」 「あ、そうでした」  美月は財布から慌てて割引券を取り出すと、トレーに置いた。 「何?割引券って」 「本多くんがくれたんです」 「……私貰ってないけど?」 「晴が渡すって言ってた」 「……じゃあ、いいけど」 「ありがとうございました」  外へ出ると一気に暑さが二人を襲う。店内で引いた汗もじんわりと滲み出た。 「とりあえず今日はこれで解散にしよう。次は夏祭りだね」 「はい。楽しみにしてますね」
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