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「あの……お待たせしました」
じっと自分を見つめてくる悠希に、美月はだんだん顔が熱くなっていく。
何?なんかおかしいのかな?なんでずっと見てくるの?
「似合ってる」
「……ありがとうございます」
まただ。胸がドキドキ言ってる。このドキドキは何なんだろう?
「じゃあ行こうー」
歩き出す晴とかすみの後ろを、美月と悠希は着いていく。今年もたくさんの屋台が道の両端に並んでいた。賑やかな空気に美月の心もワクワクして、通るたびに見る出店に目を輝かせる。
「……そんなに珍しい?」
「えっと、はい。去年独りで来たんですけど、同じ夏祭りのはずなのになぜか景色が全然違って見えるんです。不思議ですよね」
「そりゃ独りで見る景色より、誰かと一緒に見る景色の方がいいからに決まってんだろ」
「そう、かぁ。だから」
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