近づく距離

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 その後四人は食べたい物をそれぞれ買い、花火を見るため高台へ移動することになった。人を避けながら歩いていた時、足の痛みが限界に達し美月は歩みを止めた。  痛っ……やだ、靴擦れだよね?下駄なんて履き慣れないから……。  止まって下駄から足を抜き様子を見ている美月に気が付き、悠希も足を止めた。 「どうした?」 「あ、靴擦れしたみたい……」 「豆潰れてんじゃねぇか……。どっか……あそこのベンチまで行けるか?」 「はい……」  二人は人混みを横切り、置いてあるベンチへと美月は座った。 「足見せてみろ」 「だ、大丈夫ですよ。少し休めば……本多くん!?」  悠希は美月の前にしゃがむと、美月の足を自分の太ももに乗せた。
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