近づく距離

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「……いつから痛かった?」 「いつ、からでしょうね?」  美月の右足の人差し指は出来た豆が潰れて真っ赤になっていた。悠希は財布を取り出すと、中から絆創膏を一枚取り出した。それを丁寧に指へと巻いていく。 「……絆創膏持ち歩いてるんですか?」 「こういうこともあるかと思って」  準備がいいなぁ。と言うかこの体勢とても恥ずかしいんだけれど。でも手当だもんね。  その時だ。ヒューッと音がしたかと思うと、夜空いっぱいに花火が広がった。 「大変です。花火が始まってしまいました。というか……かすみちゃん達はどこへ?」  辺りを見渡しても二人の姿はなかった。 「俺らに気付かずに行ってんだろ」 「じゃあ追いかけないと……」
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