75人が本棚に入れています
本棚に追加
「……いつから痛かった?」
「いつ、からでしょうね?」
美月の右足の人差し指は出来た豆が潰れて真っ赤になっていた。悠希は財布を取り出すと、中から絆創膏を一枚取り出した。それを丁寧に指へと巻いていく。
「……絆創膏持ち歩いてるんですか?」
「こういうこともあるかと思って」
準備がいいなぁ。と言うかこの体勢とても恥ずかしいんだけれど。でも手当だもんね。
その時だ。ヒューッと音がしたかと思うと、夜空いっぱいに花火が広がった。
「大変です。花火が始まってしまいました。というか……かすみちゃん達はどこへ?」
辺りを見渡しても二人の姿はなかった。
「俺らに気付かずに行ってんだろ」
「じゃあ追いかけないと……」
最初のコメントを投稿しよう!