近づく距離

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 そう言って立ち上がろうとした美月の腕を悠希は引っ張り、ベンチへと座らせる。 「本多くん?」 「…………」  悠希は美月の隣へ座ると、花火の方へと体を向ける。 「花火ならここからでも見える。水原さん、足も痛そうだし」 「大丈夫です。本多くんに絆創膏貰いましたし。かすみちゃん達が心配します」  それを聞くと悠希は携帯を取り出した。晴にささっとLINEを送ると、携帯をしまう。 「晴にLINEしといた。行っても会えないかもしれねぇし、大人しくここから見よう」 「でも……」 「俺と二人は嫌なわけ?」 「いえ、嫌なんてそんな!!」  清水くんに連絡したなら問題ないか。正直足も痛くて、これ以上歩きたくなかったから助かる。
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