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二人は夜空を見上げる。夜空に広がる花火の音が、賑やかな客の声を掻き消していく。
「……花火もやっぱり違って見えますね。去年も綺麗だったけど」
去年は見た後、すごく虚しかった。この世で自分だけが、独りな気がして。花火が綺麗だからこそ、虚しかった。
「大事なのは何をするかじゃなく、誰とするかだ。俺もいないよりはマシだろ?」
「マシって……。本多くんには感謝しかないから、一緒に花火見れて嬉しいですよ」
そう言って美月は微笑んだ。自然と気付けば笑っていたのだ。
「……今は美人」
「え!?本当ですか!?わー本多くんに初めて褒められました」
「そんなことねぇだろ」
「いえ、今までブスとしか言われてないですよ」
「……それは本当のことだから」
「やっぱり……ブスなんですね。努力します」
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