近づく距離

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「行こう、水原さん」 「はい……」 「ちょ、ちょっと待ってよ?」  悠希は振り向くと、ベぇと舌を出したかと思うと、美月の手を引き屋台通りの中へ歩いて行った。 「何あれ……」 「水原さんと何でもないんじゃなかったの!?」  手を繋がれたまましばらく悠希の後を着いて歩いていた美月だが、ふと手を繋いでいることに気が付いた。 「あ、あの……本多くん手を」 「手がどうかした?」 「どうかって言うか、その」  ずっと握ったままなんですけど……。これじゃあまるで本当に付き合ってるみたいな……。  美月の心臓はドキドキして、顔も赤くなっていく。握りしめられた手も熱くなっていた。 「あの……そろそろ手を」 「…………」 「ほ、本多くん!!」  
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