近づく距離

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 ピタリと歩みが止まったかと思うと、悠希が振り返り美月の顔を見て笑う。 「水原さん、顔が赤いけど?」 「だ、誰のせいだと思ってるんですか……」 「さっきの仕返しだよ」 「学校始まったらまた付き合ってるって噂がたっちゃいますよ?どうするんですか?」  怒る美月に悠希はそっと近づくと、耳元で囁いた。 「いっそ、本当に付き合う?」 「なっ!?」  そう言うと不敵に笑う悠希。美月はさらに熱くなった顔に手を当てながら、唇を噛みしめていた。 「本多くんって実は、意地悪なんですね」 「今頃、気付いた?」  もう!!あの顔で、あの声で囁くとか心臓止まりそうですけど!!それにその笑顔も反則だよ。そんな笑顔見たら許しちゃうじゃない。
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