自覚

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「で、こっちが今年から仲良くなった水原さん」 「は、初めまして。三日間よろしくお願いします」 「まー、えらい美人さんだな」 「美月ちゃんです」 「みつき、どういう字を書くんだ?」 「う、美しい月で美月です」 「あんたにピッタリな名前だ」  そう言われて美月は照れた。なんだか恥ずかしくて、俯くと祖母は言った。 「じゃあ車に乗りな」 「……車ってこれ?」  美月の目の前にあるのは軽トラックだ。どう考えても二人しか乗れない。それなのに祖母は運転席に乗り込み、助手席には悠希が乗った。困っていると、晴とかすみが荷物を荷台へと乗せ始めていることに気が付く。 「二人とも……?」 「あ、水原さんは初めてだったね。俺らはここに乗って行くんだよ」 「ここって……ここですか?」
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