自覚

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 乗るって軽トラックの荷台に?それって交通ルール的に問題はないのかな? 「こうやってね、タイヤに足を乗せて……乗るの。美月ちゃんも早く」 「え、でも……」  運転席からはもういいかー?と祖母の声。美月は覚悟を決めると、荷物を荷台へと乗せる。足をタイヤに乗せると、一気に重心を移動させる。 「の、乗れた……」  なんか地面が遠くてちょっと怖いかも。 「揺れるから、水原さんはここにもたれなよ」 「ありがとうございます」 「みんな乗ったな?出発するぞ」 「はーい」  エンジンがかかると軽トラックはゆっくりと走り始める。初めこそ何ともなかったが、二十分も過ぎた頃にはガタガタと揺れて、美月の体も左右に揺れた。 「すごい山道……本当に緑しかなくなった」 「お祖母ちゃん家から見える景色も綺麗だよー」
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