自覚

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 昼ご飯を食べ終わると後片付けを始める祖母に、美月は手伝おうと袖を捲る。 「気にせんでいい、いい。若いんだから遊んできなさい」 「でも……」 「ばあちゃん、俺が洗うから」 「悠希も友達の相手をしなさい」 「……行こう、水原さん。部屋案内するよ」 「はい」  階段を上がり二階へ行くと、向かい合って部屋が二つあった。右手が悠希と晴、左手が美月とかすみの部屋に決まった。 「畳の部屋だ。冷たくて気持ちいい」  美月は座ると、手で畳の感触を確かめる。ノックが聞こえたかと思うと、悠希が声をかけた。 「荷物置いたら、その辺ウロウロしようぜ」
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