自覚

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「んー空気が美味しい」  かすみはそう言うと大きく深呼吸をする。真似するように晴も深呼吸をした。四人は辺りを適当に、ぶらぶらと歩き始める。 「ここら辺の田んぼ全部悠希のお祖母ちゃんのなんだって」 「え、ここ全部ですか?凄い……」 「今はもう何も作ってないけど、俺が子供の頃は田植えとかして手伝ったよ」 「本多くんが田植え、ですか」  想像出来ないなぁ。イメージは家で本とか読んだり……本は読まないかも。漫画とか読んだりしてそうな感じがする。山とかイメージない。 「あ、カエルだー。小さくて可愛い」 「かすみちゃん触れるの?」 「触れなかったけど、去年ここに来て小さいのなら大丈夫になったんだ」 「凄いです!!」  かすみの手のひらの上には小さな緑色の蛙がちょこんと乗っていた。 「美月ちゃんも触ってみる?」 「え!?む、無理ですよ!!触ったことないですし!!」
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