自覚

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 悠希の祖母の家に戻ると、お皿に切られたスイカが乗せられていた。 「スイカ切ったで、食べな」 「ありがとうございます」  四人は部屋にある掃きだし窓を開けると、畳の上に座り足を外へ投げ出した。 「スイカの種ってどうするの?」  晴の問いに悠希がプッと庭へ種を飛ばす。それを見て晴も同じように種を飛ばした。 「お行儀悪いなぁ、二人とも」 「かすみはどうしてるの?」 「ティッシュの上に置いてるよ」 「手でほじくるのも行儀悪くね?」 「……行儀悪いかな?美月ちゃん!?」 「……いいと思います。どちらも」  そう言うと美月は意を決して、えいっと種を飛ばした。それを見て三人は笑った。 「美月ちゃん意外ー」 「全然飛んでねぇし」 「水原さんもそういうことするんだー」
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