75人が本棚に入れています
本棚に追加
恋したいなんて願ったら、ワガママなんじゃないかな?
「気付いたら好きになってる、か」
『ドキドキするのに会いたくて。会えたら嬉しくて。胸の奥がきゅーってなるの』
その時悠希の顔が浮かんだ。
な、なんで本多くんの顔が!?ない、ない。だってかすみちゃんの好きな人だよ?でも……私、本多くんの顔を見るとドキドキする。
笑顔が見たいって思うし、見れたら私まで嬉しくなる。胸の奥がきゅーってなったことがあったような……この気持ちって……。
「……好きなのかな、私」
そんなことを考えていたら寝付けなくなり、美月は水でも飲もうと部屋を出た。台所でグラスに水をよそうと、ごくごくと喉を潤わせる。
「ぷはぁ」
私のこの気持ちは恋なのかな?二人で出掛けたの楽しかった。誕生日を知っていてくれて嬉しかった。夏祭り……浴衣姿を本当は本多くんに見て欲しかった。私のこの気持ちって……。
「水原さん?」
その声に振り返ると、そこに立っていたのは悠希だった。
「ほ、本多くん……どうしてここに?」
「トイレに起きたら電気ついてたから。婆ちゃん寝てるはずなのに、どうかしたのかと思って」
最初のコメントを投稿しよう!