自覚

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 恋したいなんて願ったら、ワガママなんじゃないかな?  「気付いたら好きになってる、か」  『ドキドキするのに会いたくて。会えたら嬉しくて。胸の奥がきゅーってなるの』  その時悠希の顔が浮かんだ。  な、なんで本多くんの顔が!?ない、ない。だってかすみちゃんの好きな人だよ?でも……私、本多くんの顔を見るとドキドキする。  笑顔が見たいって思うし、見れたら私まで嬉しくなる。胸の奥がきゅーってなったことがあったような……この気持ちって……。 「……好きなのかな、私」  そんなことを考えていたら寝付けなくなり、美月は水でも飲もうと部屋を出た。台所でグラスに水をよそうと、ごくごくと喉を潤わせる。 「ぷはぁ」  私のこの気持ちは恋なのかな?二人で出掛けたの楽しかった。誕生日を知っていてくれて嬉しかった。夏祭り……浴衣姿を本当は本多くんに見て欲しかった。私のこの気持ちって……。 「水原さん?」  その声に振り返ると、そこに立っていたのは悠希だった。 「ほ、本多くん……どうしてここに?」 「トイレに起きたら電気ついてたから。婆ちゃん寝てるはずなのに、どうかしたのかと思って」
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