自覚

31/32
前へ
/316ページ
次へ
「そんなに上手く撮れていませんよ?」 「いいんだよ、それが」 「??」  あ……私今本多くんと二人きりだ。どうしよう……そう意識したらなんか緊張してきちゃった。  ひまわりの花びらを手で触る悠希の横顔を、美月はちらっと見た。  うー格好良い。そりゃモテるよね。こんなに格好良いんだもん。本多くんはモテるけど、今は彼女がいなくて。なんでなのかな?好きな人でもいるんだろうか……。  そう思った瞬間、胸の奥がズキンと痛んだ。  胸が痛い……そっか。ここって心がある場所だ。私本当に本多くんのことが好きなんだ。だから心が痛くなったり、嬉しくなったりするんだ。  美月は携帯を悠希の方へ向けると、ひまわりと悠希を撮影した。 「……今何撮った?」 「ひまわりです……」 「そう」 「あ……それにしてもかすみちゃん達来ないですね?」 「来ないだろうな。この場所知らねぇし」
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加