自覚

32/32
前へ
/316ページ
次へ
「え!?そうなんですか!?なんで……」  なんで私を連れてきてくれたの?聞きたいけど、聞けない。 「この場所は、俺と水原さんだけの秘密な」 「私と本多くんだけの秘密……」  なんかそれって……私だけちょっと特別みたいな気持ちになるのは、自意識過剰なのかな? 「そろそろ行くか。探してるかもだしな」 「はい……」  なんだかもっと二人でいたかったな。なんてそんなこと図々しいよね。本多くんは私のこと何とも思っていないのに。  でも嬉しいな。少しずつだけど、本多くんとの距離が縮まっていくようで。私の好きな人、か。いつから好きだったんだろう?  一緒に花火を見た時から?一緒にカラオケに行った時から?ううん、もしかしたらもっとずっと前から好きだったのかもしれない。  私は本多くんのことが好きだ。
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加