言えない気持ち

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 かすみちゃん、大丈夫かなぁ?やっぱり残った方が良かったんじゃ……。 「水原さん」 「は、はい?」 「……心配なのは分かるけど、変に気をつかわれてもかすみも嫌だと思うから。せっかく来たんだから楽しんで」 「そ、それもそうですね」  清水くんもいるんだし、大丈夫だと思おう。 「山の中なんて入ったことないです」 「だろうね」  坂道を歩いて行くと、目の前に石で出来た階段が現れた。周りはたくさんの木で覆われていて、見上げてみても上に何があるのか分からなかった。 「足元気をつけて」 「はい」  足元の石は所々ガタガタと不安定で、美月は転ばないように気をつけて登った。 「これって……」
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