75人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか凄く空気が美味しいですね」
「そりゃこれだけ木に囲まれてればね」
登っていたかと思うと、今度は真横に歩き始める悠希。登りよりは歩きやすく、美月も後をついて行く。
「……山の中探索とか言ってもとくになんかあるわけじゃないから。適当に歩いて終わり」
「そう、なんですか?あ、でも鹿見れました。それだけでも探索のかいはありましたよ?」
「なら良かった。ここから下るけど、本当滑るから気をつけて」
「はい」
下ると言われたけどどうやって行けばいいんだろう?足元は滑るし、結構斜めだし。本多くんはなんであんなに簡単に歩いてるんだろう?とりあえずあの木まで行こう。
そう決めて一歩踏み出した時だ。足が滑り美月はその場から滑り落ちた。
「わっ!?」
「水原さん!!」
下にいた悠希がとっさに美月の腕をを掴むと、木に足をかけて体を抱えた。
「……だから気をつけてと」
「す、すみません」
最初のコメントを投稿しよう!