言えない気持ち

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「なんか凄く空気が美味しいですね」 「そりゃこれだけ木に囲まれてればね」  登っていたかと思うと、今度は真横に歩き始める悠希。登りよりは歩きやすく、美月も後をついて行く。 「……山の中探索とか言ってもとくになんかあるわけじゃないから。適当に歩いて終わり」 「そう、なんですか?あ、でも鹿見れました。それだけでも探索のかいはありましたよ?」 「なら良かった。ここから下るけど、本当滑るから気をつけて」 「はい」  下ると言われたけどどうやって行けばいいんだろう?足元は滑るし、結構斜めだし。本多くんはなんであんなに簡単に歩いてるんだろう?とりあえずあの木まで行こう。  そう決めて一歩踏み出した時だ。足が滑り美月はその場から滑り落ちた。 「わっ!?」 「水原さん!!」  下にいた悠希がとっさに美月の腕をを掴むと、木に足をかけて体を抱えた。 「……だから気をつけてと」 「す、すみません」
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