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次の日の朝いつものように登校し、自分の先へと座って本を読んでいた時だ。机を叩く音に顔を上げると、そこには昨日話しかけてきた悠希が立っていた。
「おはよう」
「!?」
美月は驚いた。大抵の男子は無視をすると、もう話しかけては来なかったからだ。挨拶され驚くもすぐにいつもの顔に戻ると、読んでいたページに視線を落とした。
「…………」
悠希はそのまま何も言うことなく、自分の席へと座る。それを見ていた晴が、不思議そうに悠希に聞いた。
「なんで挨拶?」
「クラスメイトに挨拶しちゃ悪いのかよ」
「悪くない」
そう言ったのはかすみだ。悠希に続くようにかすみは美月の元へ駆け寄ると、笑顔でおはようと言った。
「…………」
返ってこない返事にかすみは落ち込みながら、悠希達の元へ戻る。
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