言えない気持ち

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「おかえりー。楽しかった?って水原さん背中すごい汚れてるけど!?」 「あ……山の中で滑ってしまって」 「あー滑るよね。俺もやった。着替えてきたら?」 「そうします……」  靴を脱ぐと、美月はそのまま二階へ向かった。悠希は黙ったまま晴のいる部屋へ入ると、畳の上に寝転んだ。 「……なんかあった?」  腕で目を隠しながらも、晴には悠希の様子がおかしく思えた。 「……まだ言うつもりじゃなかったのに。早まった、クソ」 「……悠希でもそう思うことがあるんだ?」 「……水原さんが変わるたびに、気持ちだけが焦る」 「んー悠希は水原さんに変わって欲しくないの?」 「……分からねぇよ」 「悠希でも分からないことがあるんだ」 「……水原さんだと上手くいかないんだよ」 「…………」
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