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「え?」
そう言うと悠希は自分の持っていた花火を、美月の持っている花火にくっつけた。少しして火が移り、美月の花火がパチパチと燃える。
「ありがとうございます」
「…………」
花火を見ていると、突然悠希が隣でしゃがみ込んだ。同じ目線になり、自然と目が合う。
「綺麗だな」
「え!?」
「花火」
「あ、花火!!綺麗ですね!!」
びっくりした。一瞬自分のことを言われているのかと……自意識過剰もいいところだ。恥ずかしい。
「……また明後日から、バイトですか?」
「ああ」
「偉いですね。たくさん働いていて。何か欲しい物でもあるんですか?」
「……早く家を出たいから。金貯めてんだよ」
「家を……?」
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