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「じゃあ婆ちゃん。来年も来るからよろしく」
「はいよ」
「ありがとーございました」
「楽しかったです」
「お世話になりました」
次の日の朝ご飯を食べ終わると、荷造りをして美月たちは家を出た。行きと同じように軽トラックの荷台に揺られながら駅まで送って貰うと、それぞれ挨拶をした。
「また来年も待ってるよ」
ニコニコと悠希の祖母は微笑んだ。四人は大きく手を振ると、着いた電車に乗り込んだ。
「お婆ちゃん、まだ見ててくれてる」
「来年も四人で来ような」
「楽しかったね」
少ししてゆっくりと電車が動き始める。祖母の姿が小さくなって見えなくなった。
本当楽しかったなぁ。あっという間だった。こんなに楽しい夏休みは初めてで、友達がいて好きな人がいるって凄いことだね。
「…………」
「…………」
気付けば晴もかすみも美月もはしゃいで疲れたのか眠っていた。一人起きている悠希は美月の寝顔を見つめる。
「……ぜってぇ好きにさせるからな」
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