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「うーん、もう着いたの?」
「ああ、だから降りるぞ」
あくびをしながら晴は、悠希の後を着いていく。かすみと美月も慌てて電車を降りた。
「本当楽しかったね!!」
「はい」
「まだ明るいし、ここで解散しよっか」
「そうだな」
四人は駅で別れると、それぞれ自分の家に向かって歩き始めた。美月は歩きながら家に帰ったら家族にたくさん話そうと考えていた。
お婆ちゃんのこと、採りたての野菜を食べたこと、ひまわりをたくさん見たこと、山に登ったこと、みんなで花火をしたこと。どれもかけがえのない思い出だ。
「ただいま」
「……おかえりなさい、美月」
どこか元気のない声の母親に、美月は不思議そうに聞いた。
「体調悪いの?」
「元気よ。ただ……」
「?」
「美月ちゃんは?疲れてない?」
「うん。帰りの電車で寝たから元気だよ。洗い物出すね」
靴を脱ぐと、真っ直ぐ洗面所へと向かった。
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