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夕方になり自分の部屋からリビングへと降りると、ちょうど父親が帰ってきたところだった。
「おかえりなさい」
「……美月。ちょっとそこに座りなさい。話がある」
「?はい」
ダイニングテーブルに向かい合うように座ると、父親が口を開いた。
「……旅行は楽しかったかい?」
「うん。楽しかったよ。あのね、話したいことがたくさんあって……」
「旅行に男の子がいるなんて、お父さん聞いてないが?」
「え?」
「陽菜。携帯」
リビングのソファに座っていた陽菜は、携帯をいじると父親に渡す。
「……この子と二人で旅行に行ったのか?」
見せられた携帯の画面には、美月と悠希が楽しそうに話している姿がうつっていた。
なんで……?こんな写真いつ撮られたの?陽菜が?
視線を向けると陽菜が、どこか嬉しそうに笑っていた。その瞬間心臓がドクンと大きく脈打った。
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