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「まさか美月が嘘をついて、男の子と二人で旅行に行くなんて」
「ま、待って。男の子がいること話さなくてごめんなさい。でも二人じゃないよ?かすみちゃんっていう女の子と、晴くんっていう男の子も一緒で」
「陽菜の話では、二人でホームに向かって行ったと言ってるが?」
「陽菜!?私達駅前で集合したよ!!見てたなら知ってるでしょ?四人で……」
「見てたから知ってるよ?この男と二人で消えてったの見たから」
なんで、なんでそんな嘘をつくの?
父親は大きくため息をついた。美月はどうしていいか分からず俯いた。
「仮に他に女の子がいたとしても、男の子がいることを黙ってるなんて。そんな子に育てた覚えはないよ。男の子がいると知っていたら、旅行は行かせなかった」
「あなた、美月ちゃんももう高校生なんだし……」
「まだ高校生だ。きちんとお付き合い出来るような相手だとしても、旅行は早すぎる。それになんだこの髪の色は。美月の友達だから真面目な良い子だと信じて旅行を許したというのに、まさかこんな子となんて……」
「こんな子って何……?本多くんのこと知らないのに、髪の色なんかで決めつけないでよ!!」
「美月……?」
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