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「それが今年になって本当に友達が出来たみたいで許せなかった。お姉ちゃんの存在がいつも私を惨めにさせてきたのに、美人でモテるだけじゃなく友達まで出来て?だから確かめに行ったの。本当に友達が出来たのか。
そしたらあのイケメンと楽しそうに笑ってた。それに他の二人とも仲よさそうで。壊してやろうと思ったの。お父さんは優しいけど真面目な所があるし、頑固な所もあるからたぶん許さないだろうって分かってたし」
「…………」
「あーやっと本当の気持ちが言えてスッキリしたぁ。あ、でも安心して?お母さん達の前では良い妹を演じるからさ。姉妹仲悪いとか気にしちゃうもんね」
そう言うと陽菜は美月の横を通り、自分の部屋へと入って行った。ドアが閉まる音が聞こえた瞬間、美月は階段に座り込んだ。
今のが陽菜の本音なの……?今まで仲良くしてたのも全部嘘で……本当はずっと私のこと嫌いだったの?
美月の頬を涙が伝っていく。何度も何度も涙は溢れて止まらない。こみ上げる気持ちを抑えるように、口に手を当てて泣いた。
陽菜をあんなに傷つけていたなんて……全然知らなかった。私ずっと自分のことばかりで、自分だけが辛いと思い込んでいた。
私のせいで陽菜の人生はずっと辛いものだったなんて……。私はどうしたらいいの?本多くん……。本多くんならどうする?本多くんに会いたい……。
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