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眠れなかった……。頭が痛い、ガンガンする。ずっと泣いていたからかな。
起き上がるも何もする気になれず、美月はまた布団の中に潜り込んだ。
「……お父さん、いつ携帯返してくれるのかな?本多くんから連絡が来るかもしれないのに……かすみちゃんとだって」
よく連絡を取っていたのにな。どうしたらいいんだろう?どうしたらお父さんに分かって貰える?
その時コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「美月ちゃん?まだ寝てるの?」
「…………」
「お母さん……味方になってあげられなくて、ごめんね?」
「…………」
少しして階段を降りる音が聞こえた。美月は昨日の父親との出来事を思い出し、布団の中で泣いた。
陽菜とももう今までみたいにはいられない。私のせいでずっと辛かったのに、家ではそんな様子全然なくて。
いつもそうだ。女の子達には好きな男の子を取られたって泣かれて。私は陽菜にも同じ思いをさせてた。
「……私なんて大嫌いだ」
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