会いたい

19/31
前へ
/316ページ
次へ
「ほ、本多くん……?なんでここに?」 「水原さんこそ」 「私は……本多くんに会いに行こうと思って……」 「気が合うな。俺もだよ。水原さんに会いに行くところ」  会えた……。本物だよね、本物の本多くんだ。そう思ったら、安心からなのか喜びか、涙が溢れた。 「水原さん、泣いてる?」 「だ、だって……うー」 「そこに公園があるから。とりあえず入ろう」  二人は公園のベンチに座った。泣く美月を悠希は何も言わずただ黙って見守った。しばらくして落ち着いてきたのか、美月が顔を上げた。 「……美人が台無しだな」 「…………」 「それで何があったの?水原さんと連絡が取れないって、かすみが心配してた。もちろん俺もだけど」 「実は……お父さんとお母さん、旅行は女の子だけだと思ってたんです。私が本多くん達がいること話さなかったから。でも妹が駅前で私達のことを見ていて」 「なるほど。お父さん達に男が一緒だってことを話したんだ」
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加