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「ほ、本多くん……?なんでここに?」
「水原さんこそ」
「私は……本多くんに会いに行こうと思って……」
「気が合うな。俺もだよ。水原さんに会いに行くところ」
会えた……。本物だよね、本物の本多くんだ。そう思ったら、安心からなのか喜びか、涙が溢れた。
「水原さん、泣いてる?」
「だ、だって……うー」
「そこに公園があるから。とりあえず入ろう」
二人は公園のベンチに座った。泣く美月を悠希は何も言わずただ黙って見守った。しばらくして落ち着いてきたのか、美月が顔を上げた。
「……美人が台無しだな」
「…………」
「それで何があったの?水原さんと連絡が取れないって、かすみが心配してた。もちろん俺もだけど」
「実は……お父さんとお母さん、旅行は女の子だけだと思ってたんです。私が本多くん達がいること話さなかったから。でも妹が駅前で私達のことを見ていて」
「なるほど。お父さん達に男が一緒だってことを話したんだ」
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