会いたい

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「な、だって学校で人気者だって……陽菜も言ってただろう?」  そう聞かれて陽菜は諦めたかのように、ため息をついた。 「嘘だよ」 「……は?」 「お姉ちゃん男にはモテたけど、いつも独りだった。学校の人気者って言うより、男からだけ人気があって。女からは嫌われてたよ」 「あ、はは……。そうなんだ。私女の子から好かれなくて。だから高校ではもう独りでいようって決めたの。男の子とも女の子とも話さない。男の子と話すから女の子に嫌われるくらいなら、もう誰とも話さず独りでいようって」  お父さんの顔が見れない。今どんな気持ちで私の話を聞いてるの? 「でも、でもね?高校二年生になって、ある男の子が私に挨拶してくれたの。無視しても毎日、毎日おはよう、また明日って。 そしたらその友達も同じように毎日挨拶してくれて。その男の子私に言ったんだ。変わりたい?って。 私はずっと変わりたかった。みんなに好かれる人間になりたかったし、友達も本当は欲しかった」  ああ、涙が……視界が滲んでよく見えない。
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