75人が本棚に入れています
本棚に追加
「変わるきっかけをくれたの。気付いたら毎日おはようって言って、また明日って言ってた。
それから私が辛い時、独りじゃないって言ってくれた。それから友達になりたいって言ったら、もうなってるよって。初めての女友達も出来てね。
一緒に帰るのが当たり前みたいになって。学校が初めて楽しいって思えたの。そのきっかけをくれたのがね、本多くんって言う男の子なんだ」
「……あの写真のか?」
美月は頷く。心なしか父親の声は、震えているように聞こえた。
「本多くんのおかげなの。こんなに今楽しいのも友達が三人も出来たのも。独りでいいって無理してた私を救ってくれた。私の大切な人なんだ。だからお父さんには知って欲しかった。
髪の色とかじゃなく、私の知っている本多くんのことを」
「……はあ。なんて……言えばいいのか……」
言ったよ。私の言いたいこと全部言えたよ。伝わったかなぁ。お父さんに。お母さんに、陽菜に。
陽菜、辛い思いをさせてごめんね。でもね、私も辛かったんだよ。いつも楽しそうに友達と電話したり、遊びに行く陽菜が羨ましかった。
最初のコメントを投稿しよう!