会いたい

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「変わるきっかけをくれたの。気付いたら毎日おはようって言って、また明日って言ってた。 それから私が辛い時、独りじゃないって言ってくれた。それから友達になりたいって言ったら、もうなってるよって。初めての女友達も出来てね。 一緒に帰るのが当たり前みたいになって。学校が初めて楽しいって思えたの。そのきっかけをくれたのがね、本多くんって言う男の子なんだ」 「……あの写真のか?」  美月は頷く。心なしか父親の声は、震えているように聞こえた。 「本多くんのおかげなの。こんなに今楽しいのも友達が三人も出来たのも。独りでいいって無理してた私を救ってくれた。私の大切な人なんだ。だからお父さんには知って欲しかった。 髪の色とかじゃなく、私の知っている本多くんのことを」 「……はあ。なんて……言えばいいのか……」  言ったよ。私の言いたいこと全部言えたよ。伝わったかなぁ。お父さんに。お母さんに、陽菜に。  陽菜、辛い思いをさせてごめんね。でもね、私も辛かったんだよ。いつも楽しそうに友達と電話したり、遊びに行く陽菜が羨ましかった。
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