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みんな……ありがとう。私なんかのために……。
「お父さん!!私これからもみんなと一緒に居たい!!」
「……はあ。みんな顔を上げなさい。気持ちは充分伝わったから」
「本当ですか!?」
「ああ……。これからも美月と仲良くしてやって下さい。よろしくお願いします」
そう言って父親は頭を下げた。後ろにいた母親もそれにならって頭を下げる。
「そんな……頭を上げてください。私達、美月ちゃんのこと大好きです。だからこちらこそよろしくですよ」
「そうですよ!!もう水原さんは俺らの大事な友達ですから」
「一緒に居てくれなくちゃ困ります」
美月は涙が溢れてくるのを、堪えることが出来なかった。ぽろぽろと頬を伝う涙を手で拭いながら、三人の顔を見つめた。三人はとても嬉しそうに笑っていた。
私……なんて幸せ者なんだろう。今まで独りだった。それがこんなにも素敵な友達が三人も出来るなんて。辛くても生きていればこんな日が来るんだね。
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