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「私みんなを送ってくる」
「良かったら、いつでも遊びに来て下さい」
「ありがとうございます」
三人は軽く頭を下げると、美月と一緒に家を出た。玄関のドアが閉まった瞬間、父親はその場に座り込んだ。
「まさか……美月がずっと悩んでいたなんて……父親なのに気付きもしなかった……」
涙を浮かべる父親に、母親もしゃがむとそっと肩に手を置いた。
「それを言ったら私もです。あの子の言葉をそのまま信じて……考えてみれば一度も友達を家に連れてくることもなかったのに」
「でも良かったじゃない?今は友達がいるんだから」
そう陽菜は言うと、階段を上がって行く。
「そうだな。今は友達がいるんだ……」
「聞いてあげましょう?これから聞く話は、すべて本当の話なんだから」
「ああ……」
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