会いたい

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「皆さん。今日はありがとうございました」 「全然!!美月ちゃんと友達で居るためなら、いつでもどこでも駆けつけるよ」 「かすみちゃん……」 「お父さんも許してくれて良かったし、あとは携帯返して貰わないとね」 「あ、そうですね」  美月はちらっと隣を歩く悠希の姿を見た。  いつものオレンジっぽい髪の毛も似合っていたけど、黒髪も格好良い。格好良い人はどんな髪の毛でも格好良いんだなぁ。 「髪の毛。元に戻して下さいね」 「前の方がいい?」 「そうですね。黒髪も素敵ですけど、前の方が本多くんって感じがします。それに私のせいで黒く染めさせてしまって、申し訳ないので」 「それは気にしなくて良いよ。髪の色なんかより、水原さんの方が大切だっただけだから」 「……ありがとうございます」 「水原さんが好きになってくれるなら、髪の色戻そうかな」 「え?好きにって……」  返事に困る美月を見て、悠希は嬉しそうに笑う。 「はは。長期戦は覚悟したから大丈夫」 「?」
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