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家に帰ると父親が携帯電話を返してくれた。美月はさっそく三人に、携帯が返ってきたことを報告した。
お風呂へ行こうと部屋を出た時だ。部屋から陽菜がちょうど出てきた。
「あ、陽菜!!ちょっと話したいんだけど」
「……何?私は話すことなんてないんだけど?友達が出来て良かったね?」
「ありがとう」
「え?」
「陽菜が本音を話してくれたから。だから私も本音でお父さん達に向き合えたの。ずっと言わなかったことを言うのって勇気がいるでしょ?だから言ってくれてありがとう」
「ば、ばかじゃないの?私はあんたなんて嫌いだから……思っていたことを言っただけだし」
「私のせいで嫌な思いさせてごめんなさい。でもね?私も隠してた本音があるの。私はずっと陽菜のことが羨ましかったんだ」
「私のことが……?」
美月は小さく頷いた。
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